OracleのSE/SE1/SE2ライセンス体系の比較
機能がある程度制限はされているがお安くかえるStandardEditionのライセンスについて色々と罠にひっかかったりしたので忘れないような備忘録です。
できるだけ公式ページを引用したり、OracleDirectに聞いたりしたことを元にメモしていますが、悪魔で個人的メモなので間違いがあったりしましたらご指摘頂けると幸いです。
3種類のライセンスの比較
機能的にはRACについて以外は大体同等の機能が使えますが以下の様な比較になります。
SE1 | SE | SE2 | |
最大搭載可能CPUソケット数 | 1または2 ※1 | 2または4 ※2 | 2 |
サーバー1台あたり最少ユーザー数 | 5 | 5 | 10 |
使用可能最大CPUスレッド | 設定なし | 設定なし | 16 (RAC構成の場合は各サーバー8) |
RAC使用可否 | 不可 | 可 | 可 |
RAC最大ノード数 | – | 2または4 ※2 | 2 |
Oracle Database 12.1.0.2 の使用 | 不可 | 不可 | 可 |
NUP価格 | 21,600 | 42,000 | 42,000 |
Proseccor価格 | 696,000 | 2,100,000 | 2,100,000 |
※値段は勝手に価格表から引用しました。
値段SEとSE2で同じやん。てかSE1安いからSE1買わせてよとか思ったりしましたが、それよりもここで気になる表記である使用可能最大CPUスレッド!
いままでは制限がなかったのに対し、SE2からこんな制限がつきました。
CPUスレッドについて
CPUスレッドのカウント方法については、例えば1CPUに8コア載っているサーバの場合、そのまま使うと8スレッド分使えますが、HyperThreadingを使うことでそれが2倍になり8コア*2の16スレッド分のCPUを使うことができます。
そこでふと思ったのは、VMWareなどの仮想ソフトウェアをいれてクラスタを組んで、その上にOracleを動かそうと思った場合、SE2だとHyperThreadingを考えて、1CPU4コアのサーバ2台で組まないといけないのか?!ということ。
※ちなみに仮想化した場合は、仮想クラスタの物理マシン分のライセンスが必要になる。
cf:複数の物理サーバーによるサーバー仮想化環境を構築した場合のライセンスカウントはどのようになりますか?
いやいや、最近8コアとか当たり前になってきたのにそんな旧石器時代のスペックをわざわざ使わないと行けないなんてオーマイガッシュベルですよ。
というわけで、新しいライセンス体系を使うと昔のサーバを使わないといけないなんて馬鹿な話があるのか?!ということで調べてみたところこんなものが見つかった。
cf: Oracle Database Standard Edition 2で制限される「CPUスレッド」とは何ですか?
CPUスレッドの制限はOracle Database 12c(12.1.0.2以降)のソフトウェアでの技術的な制限として実装されおり、お客様で設定いただく必要はありません。
なお、同一物理サーバー上で複数のデータベースを作成された場合は、各データベースごとに使用するCPUスレッドが16までに制限されます。
ということは、別にマシン側で16スレッドに収まるように買う必要がない・・・?ということでOracleDirectに電話してみたところ答えは「Yes!! your highness!!」
クラスタを組むサーバ上ではいくらでもコアを積んでも問題ないようだ。
また、例えば仮想OSに18コアを割り当て、Oracleを動かしても問題ないとのこと。ただその場合はOracle側で制限がかかって1インスタンスで16コアまでしか使わないので残り2コアは無駄になるだけとのこと。
まぁその場合は2インスタンス立ち上げれば有効に活用できそうですね。
ただし、RACを組む場合は1サーバにつき8スレッドまでしか使えないのでご注意下さい。
cf: Oracle Database Standard Edition 2は、どのようなライセンスですか?
Oracle Databaseが使用するCPUスレッドは、16(Real Application Clusters構成の場合は、各サーバー8)までに制限されます。
Processorの数え方
StandardEditionのライセンスの数え方はそのコアの数にかかわらずのっているCPUの数(大体ソケットの数)でライセンスを買う。
ただし、比較表にもありましたが、1サーバ2ソケットまでという上限があるので注意。
例えば2ソケットのサーバが8台いて、その上でVMWareのクラスタを組んでましたとなった場合、8台*2ソケット = 16processor分のライセンスを買う必要があります。
ちなみにソケットにCPUがのっているのをカウントするので、2ソケットあっても、1ソケットにしかCPUが載っていなければ1processor分のライセンスでいいみたい(OraceDirect曰く)
蛇足:EEのProcessorの数え方
蛇足ですが、EnterpriseEditionの場合はコア数を考えないといけなくなります。
また、CPUによってコア係数というものがあり、CPUによってはお高くなったりします。
よくあるIntelのCPUだと・・・
例:Intel or AMD Desktop Multicore chips
4 ソケット
デュアルコア搭載の場合必要ライセンス数:8 コア × 0.5 = 4 Processor
定価のお値段にして、5700000 * 4 = 22,800,000・・・
サポートも入れたらもっと大変な金額に。
……見なかったことにしましょう。
今後はSE2の時代
現在3種類のライセンスがありますが、価格表を見ると、、、
– 2016年1月30日付日本国内価格表におきまして、
変更 (Oracle Database Standard Edition/Standard Edition Oneを削除)を予定しております。
ということで、今後はSE2だけのライセンス体系になるみたいです。
お求めやすかったSE1がいなくなってしまうのは非常に残念なところであります…
今後はみなさん悩むことなくSE2しか選択肢がないのでSE2を買いましょう。
@mogmetの所感
制限のせいでクラスタ組むならEEしか選択肢なくなるのかいと思って焦っちゃいましたがそんなことなくて安堵しました。
今後、選択肢としてSE2しかなくなるのは考えなくていいので楽になりますが、値段がSEなみにお高くなってしまうのだけが悲しみです。